浅間高原の東辺を区切って、南北に延びている尾根上の一峰である。この山を中心に、南は留夫(とめぶ)山、一ノ字山から碓氷峠に至り、北は氷妻山、二度上(にどあげ)峠、浅間隠山に続いている。
その山容が曲がった鼻によく似ていて、どこから眺めても、すぐそれと指呼できる。
東面は切り立った崖で、ここは日本武尊が東征の途中、発見したという水場。一滴の水もなく疲れはてた武尊が、カラスが飛び立った跡に行って見ると、岩壁の中央からカラスの口に似た巨岩が突き出し、冷水が滴り落ちていたという。これが今の烏川の水源である。
山頂は大天狗、小天狗とあり、小天狗からの眺望がすばらしく、特に浅間山が美しい。